このチェックシートについて

MES選定の比較表は、たいてい機能の有無を並べたものになります。しかし2026年時点で導入の成否を分けるのは、機能一覧に載らない項目です。

  • ISA-95は2025年に改訂され、コンテナ化とセマンティックモデルが標準に入りました
  • GartnerはMESのMagic Quadrantを出さなくなり、選定基準にMCP整合を挙げています
  • ベンダーの資本構造が1年で書き換わりました(Proficy→Velotic、Cognite→Schneider ほか)
  • EU GMP Annex 22(AI)とDPPが、MESの出力仕様を規定し始めました
  • 中国拠点ではデータ越境と信創が、製品選定の前提条件になります

これらを評価項目に落とし込んだのが本チェックシートです。全87項目、8カテゴリ構成

収録している評価カテゴリ

#カテゴリ項目数主な確認内容
1業務適合性18工程モデル、ロット/シリアル管理、多品種少量、工程内検査、作業者資格
2統合・連携14ERP/PLM/WMS/QMS連携、連携粒度、マスタの正、リアルタイム性
3標準規格対応9ISA-95(2025年版)、OPC UA、B2MML、ISO 22400、MTConnect、AAS
4アーキテクチャ11提供形態、コンテナ対応、エッジ実行、UNS、マルチテナント、拠点分離
5AI・データ基盤8AI機能の実装層、MCP/オープンAPI、データエクスポート、モデル運用
6規制・セキュリティ12監査証跡、ID・アクセス管理、GxPバリデーション、DPP出力、IEC 62443
7ベンダー評価9資本構造、ロードマップ、国内サポート体制、ライセンス移行条件、データ可搬性
8グローバル展開6多言語、多通貨、データ所在、中国拠点の信創・データ越境、テンプレート展開

特に見落とされやすい5項目

配布資料の中から、実務で見落とされやすい項目を抜粋します。

1. データ可搬性:契約終了時にデータを取り出せるか

MESに10年ぶん溜まった工程実績は、代替不能な資産です。ベンダーが方向転換した場合、あるいは製品が売却された場合に、標準的な形式で全データを取り出せるかを契約時に確認してください。「エクスポート機能があります」ではなく、「スキーマ定義つきで、全履歴を、追加費用なしで」という条件まで詰める必要があります。

2. AI機能が「どの層」にあるか

2026年のベンダー構成では、AI機能がMES本体ではなく別レイヤーに置かれることが増えています(SiemensのIntelligence Center X、AVEVAのCONNECT+Cognite)。MES単体の見積もりにAI機能が含まれているのかいないのかは、必ず分解して確認してください。

3. ライセンス移行条件

Proficy 2026は階層型サブスクリプションへ移行し、Siemens Opcenterもサブスクリプションへの移行が進行中です。既存の永久ライセンスがどう扱われるか、更新時の価格改定ルールはあるかを書面で確認してください。MES予算がCapexからOpexへ移ることは、稟議の通し方そのものを変えます。

4. 拠点間で「共通にする部分」の定義

導入93%に対し全社展開28%という数字(Rockwell、2026年7月)は、横展開の難しさを示しています。1拠点目の設計時点で、品目コード体系・工程の粒度・不良コード・作業者資格の定義のうちどれを全社共通にするかを決めているか。これは製品の評価項目ではなく、自社の準備状況のチェック項目です。

5. 中国拠点:域内保持と本社連携の両立

中国拠点を含む場合、生データを域内に留め集計KPIのみを本社へ送る二層構造をアーキテクチャとして支持できるかが判定基準になります。データリージョンを選べないSaaS製品は、この時点で候補から外れることがあります。

チェックシートをお送りします

全87項目のExcel版チェックシートを無料でお送りします。記入方法のご説明や、貴社の要件に合わせた項目追加のご相談も承ります。

資料を請求する

使い方の推奨

  1. RFPを書く前に、自社で埋める。 8カテゴリのうち「業務適合性」「統合・連携」「グローバル展開」は、ベンダーに聞く前に自社で方針を決める項目です
  2. 重み付けをしてから配布する。 87項目すべてを同じ重さで評価すると、総合点が団子になります。自社にとって決定的な10項目を先に選んでください
  3. 回答は文章ではなく証跡で求める。 「対応しています」ではなく、ドキュメントのURL、デモ、既存顧客の事例のいずれかを求めます
  4. PoCで検証する項目を3つ決める。 書面で判断できない項目(性能、UI受容性、AI精度)はPoCに回します
本当に無料ですか?費用は発生しますか?

無料です。ダウンロードに費用は発生しません。ご相談いただいた場合も、初回のご相談は無料で承っています。当社の製品を購入いただく必要もありません。

当社は特定ベンダーの製品を既に使っています。それでも使えますか?

使えます。既存システムの評価(何ができていて何ができていないか)の棚卸しにもそのまま使えます。特にカテゴリ3(標準規格対応)とカテゴリ5(AI・データ基盤)は、既存システムの延命判断に直結します。